斉藤竜也(41=神奈川)が乗れている。予選9Rも逃げる田中孝彦マークから直線一気。勝利の喜びよりも「田中を3着にしてしまった」と後輩を気遣う余裕を見せた。

 3場所前の松戸F1で8年ぶりのS級優勝を飾り、復調をアピール。好調の秘けつを「練習場所をバンク一本から、街道も取り入れるようになって上向いた」と話す。その理由が面白い。「(バンクに)若手が集まるようになって、タイムでも勝てなくなった。つまんないから、1人で街道に出るようになった」と苦笑まじりに話す。

 しかし、何が要因でリズムアップするかわからない。しばらくしてバンクに戻ると、タイムが復活していたという。「そうなれば、練習も面白くなって量も増えた。今は任せた選手が頑張ってくれているのもある。たまたまです」と謙遜気味に話した。

 ただ、漠然とした不安もあるらしい。「いきなり良くなったから、終わりも…。もうすぐこの勢いも止まりますから」と自虐気味に笑った。