ディープインパクト初の海外レース・凱旋門賞特集
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池江泰郎師「お疲れさま」/凱旋門賞

- 3着に終わり力なく引き揚げて行く武豊騎手とディープインパクト
凱旋門賞に挑戦したディープインパクト(牡4、栗東・池江泰郎)は、惜しくも3着に敗れた。直線で1度は先頭に立ったが、外から伸びた欧州馬2頭の強襲に屈した。優勝を信じて送り出した池江泰郎師(65)は無念の表情を見せた。
頂点には届かなかった。池江泰郎師は万全に仕上げたディープインパクトに声援を送ったが、世界一の座を奪取するまでには至らなかった。「お疲れさまと言いました」。悔やむよりも先に健闘した愛馬をねぎらうと、テレビのインタビューに淡々と、いつも通りの静かな口調で答えた。「思ったより前に行くレースになった。いつも3歳馬は凱旋門賞を勝っている。3歳要注意と言われていたが、重量差もあったのかも…」。勝ち馬との3・5キロ差を一応の敗因にはしたものの、表情はすがすがしかった。
8月11日にフランスに到着。以来、すべてが順調だった。「寸分の狂いもなく来ている」。池江泰郎師が毎朝思うことは、同じだった。報道規制が敷かれ、馬を撮影することができずにいる中で「本当は馬を撮らせたいんだが、すまんな」と報道陣を気遣う余裕さえあった。7月上旬にシャンティーの厩舎やロンシャン競馬場を金子オーナー、武豊騎手と視察。8月の輸送後に再渡仏。9月にも再び往復する予定だったが「やっぱりこっち(フランス)なら近くで見ていられるから」とシャンティーに1カ月間滞在した。二十数年前の騎手時代、ボンベイ、カルカッタ(現在のムンバイ、コルカタ)に滞在し、騎乗した経験が生きた。
休み明けを不安視する声もあったが、約半世紀に及ぶホースマン生活で培われた経験と勘を頼りに、愛馬を磨いてきた。「これまでと同じようにやっているだけ。使っていないのが不安なら、とっくに使っているって」。異国の地でも自らのスタイルを貫いた。「人間のリズムも崩したくないから」と、決戦前夜のパーティーを欠席。シャンティーでも、夜が遅くなる食事会は気持ちだけ受け取り、欠席した。すべては10月1日の大一番へ向けてだったが、勝利の女神はほほえまなかった。
昨年の有馬記念で2着に敗れて以来の敗戦。あの敗戦を糧にインパクトは、飛躍した。今回の負けも無駄にはならない。「次に絶対また、こういうレースに挑戦したいと思う」。池江泰郎師の意欲が衰えることも、決してないはずだ。
[2006年10月2日8時21分 紙面から]
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