山崎芳仁4度目のG1制覇/競輪
<寛仁親王牌>◇8日=前橋◇G1◇優勝賞金2696万円
4人結束の「福島作戦」が無風の高速バンクに躍り、山崎芳仁(29=福島)が4度目のG1制覇を飾った。徹底して突っ張って先行した新田を徹底マークし、最終3角から番手まくりを放って、岡部と北ワンツーを決めた。335バンクの定説「大ギア不利」を覆して4回転の怪物は輪界制覇へ、新たなうなりを上げた。新4回転マスターの平原は3・85にギアを下げ、福島作戦の前に9着と散った。
超高速のファイナルバトルは、シンプルにあっけなく決着したが、山崎時代の新たなページを開いた。一昨年の高松宮記念杯Vを起点に大ブレークした昨年の競輪祭、全日本選抜に続く、G1・4冠。気が付けばグランドスラマーまでダービー、オールスターの2つを残すだけだ。
福島作戦が、無風のドームで最強の追い風だったことに疑いの余地はない。スタートで成田が飛び出して新田の先頭をフォロー。これで新田が徹底して突っ張り、リードする布石を打った。後位を岡部-成田が固めて関東勢を一蹴した。「このバンクは自力じゃ勝てない」と山崎は4車結束があっての勝利を強調した。
それでも大ギア4回転にとって不利が定説の335バンクも制して、また輪界の常識を覆した。焦点は2人の4回転モンスター激突。山崎はかたくなに4・00、平原は3・85にギア倍数を下げて勝ちにこだわった。戦いはまだ続く。結論ではない。だが、4回転と心中する覚悟の差が、今回ばかりは明暗を分けた。
バンクで荒ぶる4回転も会見場では天然系キャラ全開だ。会見の席にいすがなく「珍しいですね」と大笑い。一方で大役を果たした後輩を「自分も通ってきた道。巡り巡ってくるもの」と真顔でねぎらった。
6月29日に引退したばかりの師匠・添田広福氏(50)に最高のはなむけだ。9日に福島県郡山市で送別会が開催され、愛弟子の一人として駆けつける。競輪学校受験に4度失敗した山崎を輪界最強に育てあげてくれた師匠に「これで、いいあいさつができる」。
おれの時代を告げるはずだった昨年のGP決戦に敗れた控室。トランクスだけを身に付け、1人無言で立ち尽くした。高速バトルを制したこの日も同じピンクの勝負パンツで臨んだ。意志を貫く者に道は開ける。GP制覇の王道は高速バンクから始まる。【大上悟】
[2008年7月9日8時22分 紙面から]
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