イコピコ快勝で菊勢力図一変/神戸新聞杯
<神戸新聞杯>◇G2◇27日=阪神◇芝2400メートル◇3歳◇出走14頭◇3着まで菊花賞優先出走権
遅れてきた大物が見事に下克上を果たし、クラシック3冠目の菊花賞に名乗りを上げた。四位騎手の7番人気イコピコ(牡、栗東・西園)が大外一気の末脚でリーチザクラウンを差し切り、重賞初制覇。勝ち時計は2分24秒2のレコードで、従来の記録を0秒5更新した。
完勝だった。イコピコが春の主役たちを真っ向勝負でねじ伏せた。「しまいいい脚を使うと聞いていたけどそのとおりだった」と四位。テン乗りだったが迷わず馬群の外へ持ち出し、堂々と末脚勝負に出た。3発、4発と入る右ステッキに、目の覚めるような末脚を繰り出す。目の前にいた皐月賞馬アンライバルド、逃げ切り態勢のリーチザクラウンも一瞬で抜き去った。「強かったですね。行きたがると聞いていたので折り合いだけ気をつけたけど、前が飛ばしてくれてすぐに折り合った。最高のレース」。昨年のディープスカイに続き連覇した四位は気持ち良さそうに振り返った。
「本当に強い勝ち方をしてくれた」と西園師も笑顔を見せる。「太いかなと思っていたが、追い切り後に自分でカイバを加減して体をつくった」と愛馬の賢さに目を細めた。技術調教師時代に携わった97年菊花賞馬マチカネフクキタルを引き合いに出し「あれに匹敵する馬」と絶賛した。
「本当は皐月賞、ダービーに出したかった」と、師はレース後でさえ悔しさをにじませる。それだけの期待馬だった。未勝利勝ちは3月。皐月賞に間に合わず、ダービーに望みをかけたプリンシパルSは痛恨の出遅れ。それでも最後方から4着まで追い上げた。前走のラジオNIKKEI賞ではトップハンデを背負ったほどの素質馬が夏を越していよいよ本格化した。クラシック不出走馬の勝利は01年エアエミネム以来だ。「放牧に出して帰ってくるたびに良くなる。こちらが思う以上に良くなる」という成長力で、春のうっぷんを晴らした。
四位は「瞬発力は相当なものを持っている。距離が長いので折り合いだけ」と菊花賞(G1、芝3000メートル、10月25日=京都)への手応えを口にする。西園師も「ガンガン引っ掛かるわけじゃないし次も大丈夫」と話す。ハワイの言葉で「頂点」を意味するイコピコが、勢力図を大きく塗り替えた。【山本幸史】
[2009年9月28日8時26分 紙面から]
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