エリザベート15頭抜きV/ファンタジーS
<ファンタジーS>◇8日=京都◇G3◇芝1400メートル◇2歳・牝◇出走16頭
8番人気タガノエリザベート(栗東・松田博)が、直線15頭をごぼう抜きするド派手なパフォーマンスで重賞初制覇。上がり3ハロン33秒5という次元の違う末脚で、暮れのG1有力候補へ浮上した。なお2着にはベストクルーズが入り、松田博厩舎のワンツーフィニッシュ。1番人気のラナンキュラス(栗東・矢作)は4着に終わった。
黄色い帽子が大外から末脚を伸ばした。「届く」。川田将雅騎手(24)の手に抜群の感触が伝わった。場内アナウンスが「タガノエリザベート」と絶叫する。1頭、2頭…外からまとめて先行馬をかわす。残り100メートル。残すは先に抜け出した同厩舎のベストクルーズだが、勢いが違った。ゴール前できっちり競り落とした。ブエナビスタと同じスペシャルウィーク産駒。先輩をほうふつとさせる末脚だった。
4コーナーまで16頭立ての16番手。しんがりにいた馬が、直線だけで15頭を抜いてみせた。川田は「先生からは折り合いに専念するように言われていた。道中の位置取りではなく、それを頭に入れて競馬した」と明かした。2走前のききょうSは大外枠で掛かり、前走のデイリー杯も行きたがった。この日はリラックスして走らせるため、1頭だけポツンと最後方を追走。1000メートル58秒4のよどみない流れも向いた。「直線も抜群の手応え。こういうレースが合っているんだと思う」と川田。腹をくくった作戦が、しまいの爆発力につながった。
早いうちから能力を評価していた松田博師は「まともに走れば、これぐらいやれると思っていた。これからまだ強い馬もたくさん出てくるが、賞金を加算できたし、これで好きなところに使える。距離も延びた方がいいからな」と納得の表情を見せた。レース直後で明言は避けたが、12月13日阪神の阪神JF(G1、芝1600メートル)を使うことは頭に入っている。エリザベス女王杯で雪辱を期すブエナビスタの後継者が早くも現れた。【和田美保】
[2009年11月9日8時30分 紙面から]
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