小林慎11年目の春、ノア差し切り/根岸S
<根岸S>◇1月31日=東京◇G3◇ダート1400メートル◇4歳上◇出走16頭
デビュー11年目の小林慎一郎騎手(28)が、初の重賞制覇を果たした。単勝11番人気グロリアスノア(牡4、栗東・矢作)とのコンビで、直線前が開くと猛然とスパート。一気に先頭に立ちゴールした。04年には騎乗数が半減し、0勝に終わるというどん底を味わった苦労人が困難を乗り越えた末、重賞5度目の挑戦で手にしたタイトルだ。
待っていた。この時が来るのをずっと願っていた。直線半ば、前が開く。小林慎は夢中でグロリアスノアを追った。次にいつ訪れるか分からない重賞初制覇のチャンス。必死だった。抜群の手応えで馬も伸びていく。先頭でゴールを駆け抜けた。11年間の思いが詰まったゴールだった。
「たまらない気分です。みなさんに感謝したい」。こみ上げてくる感情を抑えて、そう話した。「全然乗り馬がなくて、騎手という職業をどうしようかと思った時期もあった」と振り返る。00年にデビューし、02年まで騎乗数は200前後。順調ともいえるスタートを切ったが、03年は111回で3勝。04年はさらに騎乗数は半減し、56。そしてただの1勝も挙げられなかった。
転機となったのは矢作厩舎が開業し、その所属になったこと。「そして何よりグロリアスノアに出会えたことが大きかった」と言う。昨年は大井のジャパンダートダービーに乗った。統一G1とはいえ、初めてのG1をグロリアスノアが経験させてくれた。「ここで結果を出すことができて本当によかった」と感無量の表情を見せた。矢作芳人師(48)も、小林慎をたたえた。「今年に入ってからリズムがいいし、本当にうまく乗った。彼で勝てたのは大きい」。21日に控えるフェブラリーS(G1、ダート1600メートル、東京)を見据えての言葉だった。
レース後、初めて招かれた重賞のシャンパンルーム。「一気に3杯、シャンパンを飲まされました」と小林慎はうれしそうに言う。だが11年間の思いはシャンパン3杯では、まだ足りない。【三上広隆】
[2010年2月1日8時45分 紙面から]
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