16年リオデジャネイロ五輪アジア1次予選を兼ねるU-23(23歳以下)アジア選手権予選(マレーシア)に臨むU-22日本代表が3日、東京・文京区の日本サッカー協会で発表された。海外組のスイス1部ヤングボーイズFW久保裕也(21)とオーストリア1部ザルツブルクFW南野拓実(20)の招集に成功。だが、3試合中2試合しか起用できない条件をのむ形だった。

 会見した手倉森誠監督(47)は「霜田さん(技術委員長)が『所用』で欧州に行かれていたので(笑い)。五輪予選に拘束力がない中、理解を得てくれた」。2月中旬に両クラブを訪れた際の交換条件が出場制限だった。

 南野は途中合流、途中離脱となる。リーグ戦があるため8日遅れの23日に現地入り。さらにクラブが4月4日のオーストリア・ウィーン戦に起用する方針のため、31日の第3戦マレーシア戦を前に戦列を離れる。久保は同じく24日から途中合流。最終日まで拘束できるが、中1日の3連戦のうち2試合(連戦可)しか出場の許諾が下りなかった。

 それでもスポット参戦に踏み切った。「2人を組み合わせることで世界への意識を植えつけたい」と国内組を刺激。昨年12月のタイ・バングラデシュ遠征で初招集した時の活性化を再現する。また、今回は条件を受け入れることで来年1月の最終予選(カタール)に呼ぶ下地をつくっておく。

 Jクラブの人数制限もなく「引いた相手を崩すメンバーを選んだ」と、DFを6人に削って広島MF野津田らを復帰させた。手倉森監督は「A代表の新監督も気になりますが、日本サッカー界の挽回と反撃の先陣を我々が切る」と巻き返しの旗頭を担う。【木下淳】