日本代表のFW宇佐美貴史(23=G大阪)が、“理想のボディー”に仕上げて東アジア杯に挑む。新潟戦から一夜明けた30日は、遠征先から中国へ移動。新潟空港では耳にイヤホンをつけたまま。取材を受け付けなかったが、左手には「ヘルスメイト」と書かれた体調管理を記録するファイルを大切そうに持っていた。

 これまでハリルホジッチ監督から体脂肪率を厳しく指摘されてきた。エースFW本田が6・6%まで絞っているのに対し、宇佐美は現代表で設定された12%以内を大幅に超える14・1%だった。ここ数カ月で炭水化物を減らし、野菜や鳥のササミなどが中心の食生活にした結果、体重は5~6キロ減ったという。体脂肪率も規定値の12%以内を達成。G大阪の長谷川監督は「急激に体重を落としたからね。最初は体への影響を心配した」と説明。それでも代表のエースを目標とする宇佐美は、初めてハリル監督が理想とする体で代表に合流することができた。

 目指すは優勝だ。この日はひと言も話さなかったが、前日29日新潟戦後には「国を背負っていく以上、絶対にタイトルは取りたい。ハードな日程ですけれど、優勝して帰ってこれるように頑張るだけ」と言った。G大阪の先輩で、初代表の26歳FW倉田秋も「簡単な相手ではないですけれど、優勝は絶対条件」ときっぱり。本田、香川ら欧州組が不在の今大会。宇佐美には、自らが日本を引っ張っていく覚悟がある。絞りきった体で、日本を東アジア王者へと導く。【益子浩一】