【メルボルン(オーストラリア)10日】W杯ロシア大会アジア最終予選、アウェーのオーストラリア(FIFAランク45位)戦の公式会見が10日、試合会場のドックランズスタジアムで行われた。日本代表(同56位)のバヒド・ハリルホジッチ監督(64)は相も変わらずの「言い訳」を連発。解任の可能性も消えていない中、B組4位の日本を「アジアで1番ではない」とハードルを下げ、首位相手に勝利をつかむには「ラッキーが必要」と神頼みまでした。

 首位との決戦を前に、やはりハリルホジッチ監督は熱くなった。会見冒頭こそ穏やかに受け答えしたが、オーストラリアの記者から「日本で批判されているらしいが、正当か不当か」と聞かれると「試合に勝っても批判される。この質問も皮肉にしか聞こえないが、説明しよう。(海外組の)長距離移動や時差ボケなど我々に問題は多い」。結局は、日本にとって宿命の課題を口にし「私が勝っても喜ばない人には『ごめんなさい』だ」と開き直った。

 この男に率いられた日本は勝ち点6のB組4位。アウェーとはいえ、同7の首位オーストラリアに負ければ進退問題に発展するのは確実。解任の火種もくすぶる中でハードルを下げた。「明日はアジアで最も強い国と対戦する。まだ日本が一番アジアで強いと思っている人も何人かいるが、そうではない」。負傷者続出の逆風には「困難とは思わない。皆さんから言われる『言い訳』はしません」と付け加えながら「今回(通常の23人より)2人を余分に招集したが、さらに2、3人は必要だったかも」と“欲望”に際限なかった。

 W杯予選のオーストラリア戦は過去4分け2敗と勝ちがない。メルボルンでの試合も4戦全敗。鬼門突破へ「弱点を見つけた」と口角を上げながら「両国は互いを知り尽くしている。明日の試合、たいした驚きはない。ディテール、ラッキーなことが試合を決めるだろう」と天に丸投げした。

 今節、日本はオーストラリアより10時間以上も早く当地入り。「準備は完璧。フィジカルも2戦目の方がいい」と、この点に関しては言い訳しなかったが、最後に切り出した。「15人中12人の海外組が出場機会を得られていない。1年前なら、出られない選手は使わないつもりだった」。唐突に本音でボヤくと、司会の終了アナウンスを待たず勝手に席を立った。この英訳がむなしく響く中、会場を大股で後にした指揮官。もはや恒例のピリピリ感が場内に充満した。【木下淳】