MF中村俊輔(29=セルティック)がDF闘莉王(27=浦和)とのホットラインでオマーンを打ち破る。5バックで守備を固めてくることが予想される相手に対し、ポイントはセットプレー。27日のキリン杯パラグアイ戦では「ビデオに撮られているというのも半分あったから」と、FW巻をつぶれ役にファーのDF寺田を意識的に狙っていった。

 そこにはしたたかな計算があった。「闘莉王は(セットプレーで)つかなかった。闘莉王が(相手に)勝てるの分かってるから。今度は勝負していければ」。パラグアイ戦の前半17分、流れの中から中村俊の左クロスに闘莉王がゴール前へ飛び込んだ。相手に競り勝ちゴール寸前までいったシーンに、中村俊は「ホットライン」に自信を深めた。

 「こないだ(キリン杯パラグアイ戦前)より細かくやるんだよね」と30日以降に予定されるセットプレー練習へのイメージを膨らませる。これまで国際Aマッチ出場11試合2ゴールの闘莉王へのアシストはないが、代表戦のビデオは欠かさずチェックしてきた。04年7月のアジア杯では左足アウトで芸術的な決勝ゴールを決め、同年10月にはW杯アジア1次予選突破を決める決勝アシストでオマーンを破った。エース高原が離脱した今、難敵撃破へ「俊闘」ホットラインを満を持して投入する。