MF中村俊が不敗アシストで救世主になる。過去アシストを決めた試合は18勝1分けと不敗。あと2アシストで92年オフトジャパン以降で最多となるカズの27アシストに並ぶ。得点シーンのイメージも膨らんでおり、得意のセットプレーでは「速いボールを入れて、ボンバー(中沢)、闘莉王と背の高い選手もいるけど、それを逆に使うのもいい。いろんなことをイメージしたい」と話した。

 オマーンには因縁もある。日本は04年に3度対戦。現在アジア最高GKといわれるアルハブシに苦戦し、3得点だけ。中村も同2月のW杯予選の対戦でPKを止められた。だが、苦手意識はない。同7月アジア杯では左足アウトサイドでスーパーゴールを決め、同10月W杯予選ではサイド突破からの高速クロスで決勝点をアシスト。「GKがいいのでフワッとしたボールは通じない。守備範囲が広い」と注意点を挙げた。

 この日は全体練習後に自主練習でPKを蹴り続けた。「準備に完ぺきはない」。最後まで詰めの作業を行った。

 バーレーン戦に敗れ、迷走している岡田ジャパン。「前回のW杯予選もギリギリの戦いだった。久保さん、大黒が終盤に決めた。そういうのを意識したい」。窮地を救うのは、修羅場を経験している中村俊のアシストだ。【広重竜太郎】