会見の最後は関西人らしく笑いで締めた。日本代表の岡田武史監督(51)は報道陣からの10個以上の質問によどみなく答え、会見時間は15分にも達しようとしていた。「これほどしゃべったのは心境の変化があったのか?」と聞かれると「誰も終わらしてくれないからだ。いつもならラストクエスチョンと言ってくれるのに!」と広報担当の方を振り向くと、会見場が笑い声につつまれた。

 がけっぷちだった2日のオマーン戦前日の会見は3分4秒で終了と緊迫ムードを漂わせていた。だがこの日の自然体な姿勢は、自信の裏づけだった。

 岡田監督

 (代表生活が長くなると)得てして選手がイライラしてくるが、チームは明るい。食事の時もなかなか帰らずに、ずっとしゃべっている。仲良しグループじゃなく、コミュニケーションが取れている。

 楢崎に正GKの座を奪われた川口に対しては「荷物を率先して取りに行ったり、リーダー的な存在になっている」と評する。タイ戦は出場停止のFW大久保にも「あんなヤンチャなやつが、しおらしくやっているのがチームに伝わる」と波及効果を実感していた。キリン杯で集合してから3週間以上が経過し、一体感が出てきたチームに手応えを感じていた。