W杯最終予選出場も夢じゃない。高卒2年目の大分MF金崎夢生(19)が、飛び級で日本代表候補に選ばれた。日本協会は23日、国内合宿(28~30日・千葉県内)に参加する日本代表候補24人を発表。今季、大分で開幕からトップ下のレギュラーを務めるロンドン五輪世代の金崎が選ばれた。平成生まれの日本代表候補は、6月にW杯予選に出場したMF香川以来2人目となる。

 合宿だけで終わらない。「初めはびっくりしましたけど」。その後、金崎がW杯最終予選出場の夢を語った。「すごいチャンスだと思う。それ(W杯最終予選)に選ばれるよう、合宿でも大分でもやれることをやっていきたい」。19歳の表情は引き締まっていった。

 2年目の今季は開幕からトップ下に定着。3試合連続ゴールを決めるなど、リーグ戦全18試合に先発し、来月2日のJOMO

 CUPのJリーグ選抜にも選出された。だが、自らの世代のU-19代表が4バックを採用するなど、これまで代表で活躍する機会になかなか恵まれなかった。その壁を切り開いたのが、C大阪MF香川の存在だった。

 「北京五輪も目標にしていましたが、それが難しくなったときにA代表を目標にしました」。5月、同じ平成生まれの香川がA代表に初招集され、W杯予選にも出場した。「(香川)真司が刺激になった。真司が道を切り開いてくれた」。香川の背中を追い、今回のチャンスをたぐり寄せた。

 周囲の期待も大きい。フットサルで培った足技とターンに、日本協会の犬飼会長は「全般的におもしろい選手。普通の人(選手)と違う感じがする」。岡田監督も「ラスト3分の1(ゴール前)のプレーがおもしろい」と評し「すぐにポジションを取るというのは難しいが、将来的に感触はある。将来?

 最終予選か来年1月にはアジア杯予選もある」と、金崎のW杯予選出場の可能性を口にした。

 北京五輪出場は逃したが「自分のプレーを知ってもらいたい」。10代のファンタジスタが世界舞台への入口に立った。【村田義治】