岡田監督がバーレーン戦必勝を目指し「守備固め指令」を出した。(1)守備陣最後のとりでとなるセンターバック2人は動くな(2)サイドバックが上がった裏や中盤のスペースは、ボランチがフル回転でカバーしろ、という2点を指示。MF中村憲には「サイドバックが出たら、お前がカバーするんだ」と実演を交えて指示した。

 アウェーでバーレーンと対戦した3月26日の3次予選では、3バックの両サイドに空いたスペースを突かれた。後半32分には右サイドをえぐられてクロスを上げられ、FWのA・フバイルのゴールを許し、0-1で敗れた。その反省からバックを4枚にしてスペースを埋めた。そのうえでセンターバックを中央に固定し、サイドバックが上がったスペースを含め、ゴール前の危険なエリアはボランチにカバーさせるという、「岡ちゃんカーテン」をつくるつもりだ。

 DF中沢は「中盤を動かし、最後のおいしいところをセンターバックがはね返すのが4バックの鉄則。バランスもいい」と納得した。一方、守りから速く切り替え、攻撃の起点となるようにも命じられた中村憲は「後ろの穴を空けたくないのは分かる。そこを(左サイドバックの)阿部ちゃんが埋め、自分はカウンターに備えられれば」と話した。

 この日、岡田監督は積極的にピッチを歩き、DF闘莉王、阿部、内田と中村憲に相次いで個別指導した。攻撃の核となる欧州組が合流する9月2日までに守備隊形をしっかり固めたいという気持ちが、叫ぶような大きな声に表れていた。【村上幸将】