日本代表MF遠藤保仁(28=G大阪)が「VIP調整」を許された。28日のアジア杯予選バーレーン戦(アウェー)に向けた代表合宿が22日、追加招集の7選手だけで愛知県内で行われた。17日に本格始動したばかりで右太ももの状態が万全でない遠藤は、岡田監督の配慮からただ1人別メニュー調整を行った。体調次第では即大阪に帰る可能性もあったが、遠征帯同が決定。23日に合流する残りのメンバーとともにバーレーンへ出発し、現地で調整ペースを上げる。

 冷たい雨の降るなかで、遠藤はランニングなど軽めの練習を続けた。ほかの選手はシュート練習やミニゲームで激しく動いたが、すべて免除された。練習前、岡田監督から「寒いし、シーズンの最初だから無理をするな」と声をかけられ、完全別メニュー調整。最後にボールを軽く蹴り、「少しずつ(体調を)上げていくのが理想ですね」と語った。

 焦るつもりはまったくない。28日バーレーン戦の出場は微妙だが「無理してまで、とは思わない。あと1週間もないんでね」。昨季は元日の天皇杯決勝まで公式戦60試合に出場し、本格始動したのは17日。昨季終盤に痛めた右太ももも万全ではない。大切なのは、2月11日のW杯アジア最終予選オーストラリア戦。昨夏は疲労からウイルス感染症で離脱したこともあり、代表側も慎重になっている。

 岡田監督は万全でない選手は本来招集しないが、この日「ガンバもまだ練習が始まってないので、こちらでやらせることにした」と説明。「まだ(右太ももに)しこりが残っているが、チームに帯同してコンディションを上げていってもらう」と明言した。体ができ上がれば、先発起用は確実。中村俊(セルティック)とともに、岡田ジャパンの精神的支柱でもある選手だからこその配慮だ。

 遠藤も「(始動していない)クラブに残ってやるよりは、代表でやる方がメリットはあると思う」と話した。遠征に帯同することでチーム状態も把握できる。岡田監督から「特別待遇」のお墨付きをもらい、自身とチームの調整を上げていく。【北村泰彦】