【マナマ(バーレーン)=24日】岡田ジャパンが、「前哨戦」でバーレーンの息の根を止める。岡田武史監督(52)率いる日本代表は、28日のアジア杯予選バーレーン戦のために現地入り。岡田監督は離日直前に、敵将マチャラ監督の進退問題に言及するなど、先制口撃を仕掛けた。今月のガルフ杯で1次リーグ敗退(1勝2敗)と苦しむ同監督を意識したもの。今回バーレーンを徹底的にたたきのめし、3月28日のW杯アジア最終予選を前に、戦意喪失させる狙いがうかがえる。

 バーレーン国際空港に到着した岡田監督は落ち着いていた。気温20度と快適な気候に「こんなもんでしょう」とコメント。淡々と荷物を運び、迎えのバスに乗り込んだ。

 すでにバーレーンへの戦い方は決まっている。離日するわずか10分前、岡田監督は珍しく敵将の人事に触れた。「マチャラも次負けると、どうなるか分からない…」。バーレーンはガルフ杯(ペルシャ湾岸諸国の大会)で苦戦したとはいえ、「中東の魔術師」と呼ばれるマチャラ監督を、挑発するような言葉だった。

 岡田ジャパンのW杯アジア最終予選は、2月11日にオーストラリアとの大一番を終えると、次は3月28日にバーレーン戦になる。仮に今回の対戦後、バーレーンが監督交代などで新体制になれば、これまでのデータは意味を失い、かえって不気味。実際、昨年10月のウズベキスタン戦など、新体制のチームを相手に苦しんだ。

 だが、今回はあえてマチャラ監督の息の根を止めにいく。徹底的にたたきのめし、相手に「日本には勝てない」と印象づけ、再戦に向け戦意喪失させる。日本は大黒柱のMF中村俊、DF闘莉王が不在で、遠藤も無理はさせない方針。若手中心で、ベストメンバーの相手に完勝すれば、バーレーンのショックは大きい。本当に首脳陣の進退問題にまで波及すれば、チームの混乱は必至。日本が「前哨戦」でダメージを与えることができれば、3月の対戦をより有利にする効果があるはずだ。

 昨年3月、オシム流を引き継いで臨んだ3次予選で岡田ジャパンは敵地バーレーンで惨敗した。「あの屈辱は何があっても忘れない。バーレーンのことは今でも好きではない」。同じ言葉を繰り返してきた岡田監督にとって、今回の試合は「雪辱」以上の意味を持つ。とどめを刺しにいく。