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18歳直輝がアシストデビュー/親善試合

本田(右)のゴールをアシストした山田は2人で抱き合って大喜び
本田(右)のゴールをアシストした山田は2人で抱き合って大喜び

<国際親善試合・キリン杯:日本4-0チリ>◇27日◇長居

 18歳のMF山田直輝(浦和)が、代表デビュー戦で初アシストを決めた。前半39分、故障を抱えるFW玉田に代わり、歴代4番目の年少記録となる18歳327日でAマッチ初出場。豊富な運動量と抜群の攻撃センスでピッチを駆け回り、後半ロスタイムにMF本田の4点目をアシストした。チームも4-0でW杯南米予選3位のチリに大勝。W杯最終予選の登録メンバー18人生き残りへ、期待のホープが「日本の秘密兵器」として最高のアピールをした。

 初体験の大舞台でも、最後まで山田は冷静だった。後半ロスタイム、FW矢野からゴール正面でパスを受けた。シュートを打つと見せ掛けて、右から上がってきたMF本田にパスを流した。自ら得点すれば代表史上最年少ゴールだったが「数的優位だったので、より確率が高い方を選んだ」。本田が4点目のゴールを決めると、駆け寄って、抱き合って喜んだ。

 代表デビューは突然だった。ベンチスタート。岡田監督は「長くても30分」と後半起用を予定していた。しかし、FW玉田が負傷したため、急きょ前半39分に出番がきた。岡田監督から「思い切ってやってこい。ビビらず、やりたいことをやってこい」と背中を押された。しかし、18歳はファーストタッチのパスこそ相手にカットされたが、「グラウンドに入ったら緊張はなかった」。

 全体的にはミスも多かったが、随所に「センス」を見せた。前半ロスタイムにはFW岡崎に絶妙の左クロスを放り込んだ。「思い切って使ってみた。確かにミスもあったが、ほどほどのプレーじゃなく、チャレンジしていて素晴らしかった。ここまでやってくれるとは思わなかった」と岡田監督。大舞台でも萎縮(いしゅく)せずに、挑戦する心の強さが頼もしかった。

 口ぐせは「楽しんでプレーしたい」。それをチリ戦でも実践した。かつてのマツダ(現広島)で選手としてプレーした父隆さん(48)に幼少期から「楽しめ」と言われ続けた。父は常に結果を出さなければならないという重圧で、サッカーを楽しむことができず、選手としての成長も止まったという。その父から代表選出後「ケガ無く、楽しくやってこい」と電話で激励された。

 どんな試合でも失敗を恐れず、自分のプレーができることも持ち味。これも子どものころから父にたたき込まれた。隆さんはデビュー間もない83年5月に岡田監督も所属していた古河電工と対戦。岡田監督は出場していなかったが、開始1分の自らのオウンゴールなどで0-3で完敗した苦い経験があった。山田は小学生時代から勝っても自身のプレーに納得がいかなければ、泣いて悔しがったが、父は「失敗なんかいくらでもする。気にするな」と言い聞かせたという。

 試合後、山田は「消極的なミスもあったから、ビビッているところもあったのかもしれないけど、全体的に見て楽しくできたと思う」と振り返った。この日の活躍でW杯最終予選の登録メンバー18人入りも一気に現実味を帯びてきた。18歳の新星は、ライバル国がまったく情報を持たない日本代表の「秘密兵器」になろうとしている。【今井恵太】

 [2009年5月28日9時55分 紙面から]


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