<アジア大会・サッカー:日本1-0UAE>◇男子決勝◇25日◇中国・広州

 大学生はFW永井だけじゃない。U-21日本代表がアジアの頂点に立った。Jリーガー14人と大学生6人の構成が魅力を引き出した。環境の違う立場だけにDF比嘉祐介(21=流通経大)は「大学は朝6時くらいから練習。しかも2部練習なので、こっちは正直楽です」と話す。体力的な余裕はチームのムードメーカーを買って出て、結成直後はおとなしかったチームを変ぼうさせた。ピッチ内外で率先して声を出し、いじられ役に徹することで輪をつくった。

 「文武両道」の姿も仲間を刺激した。FW富山は練習で疲れた体にむち打って選手村でパソコンと向き合った。リー・トンプソン教授の異文化コミュニケーション論の授業が動画配信される。「僕らのために先生が考えてくれているのでしっかり単位をとりたい」。その都度500字以上のリポートをまとめメールで送信している。GK増田は保健体育の教職免許取得のため教科書を持ち込んでいる。同部屋のGK安藤も「サッカーに専念できるありがたさを感じる」と立場の異なる選手の融合が相乗効果を生んだ。

 原博実強化担当技術委員長も「両立する力をもって頑張ってくれている。これも日本のサッカー界のいいところでもある」と評価。A代表にはない世代代表の魅力が底上げとなった。