なでしこジャパンMF沢穂希(32=INAC)が、日本サッカー協会から特別表彰されることが29日、分かった。釜本邦茂氏が持つ国際Aマッチ得点記録(75点)を更新したことに対する表彰で、沢は世界一になったW杯で5得点をマークし、記録を80点に伸ばした。明日31日のなでしこリーグ岡山湯郷ベル戦(神戸ユニバ)終了後に記念トロフィーが贈呈される。

 日本協会が選手個人の記録を祝して記念トロフィーを贈るのは史上初だ。75得点の釜本氏も得点記録に対する表彰はされていない。日本協会幹部は「75点は破れない大得点記録としてサッカー界に残っていた1つの基準で、それを超えた沢を表彰するのは当然のこと」と説明した。

 沢はまだ現役で、今後得点記録はさらに更新されるはず。今後は、沢が引退するまで残す得点記録が、表彰の基準となる。以前は、サッカー途上国との対戦で固め打ちすることで、個人の得点記録は伸びてきたが、女子サッカーを含め、世界的にレベルが上がってきていることから、今回の表彰が、最初で最後のものになる可能性が高い。

 また、女子では初めてサッカー殿堂入りする可能性もある。日本協会幹部は「殿堂入りは、性別は関係ないし、沢の実績は誰にも劣らない。将来はそういう話になるだろう」。殿堂入りの資格は60歳以降と決められている。まだ30年近く先の話だが、沢の輝かしい実績に異論を唱える人はいないはずだ。