<キリンチャレンジ杯:日本3-0韓国>◇10日◇札幌ドーム

 ゴールにねじこんだ。日本代表FW本田圭佑(25=CSKAモスクワ)が後半8分、2点目を生み出した。FW清武からのダイレクトパスが届いた時点では左足も、体もニアサイドを向いていた。だが、オフの強化時は徹底した栄養管理で1日5食を食べ、それでいて体脂肪率1ケタ台を維持する鍛え上げられた肉体は、想定外のコースへのシュートを可能にした。“悪魔”と呼ばれる左足を粘らせ、足首を開いてファーサイドに強いゴロで流し込んだ。

 勝利を決定付けた難易度の高いゴールは、昨年6月のW杯南アフリカ大会1次リーグ・カメルーン戦以来、422日ぶりの流れの中での得点だった。ゴールにこだわる男は、派手に何度も両手を広げ、最後は両手の指先を天に向けた。故松田直樹さんへささげる思いからだったのか。ただ、試合後は得点より9月のW杯3予選に向けた思いを口にした。

 本田

 今日は内容にもこだわった。いかに(チームとして)シュートまで持って行けるか。この点はヨーロッパのチームと戦う時と、アジアのチームとやる時は違う。今日は全得点とも(選手同士の)距離感が良かった。日本のサッカーというものが確立されていけばと思う。

 サッカーに限らず何事も、勝利をイメージして逆算するところから始める男だ。ここ最近は読書を好み、自分と向き合う時間がグッと増えた。W杯優勝を目標として公言。アジア予選も頂点へとつながる道筋だ。最後にキャプテンマークも巻いた攻撃の軸は、落ち着いてアジアを勝ち抜く戦い方のチェックを終えた。【八反誠】