来年のロンドン五輪出場を目指し、9月1日から中国で最終予選を戦うなでしこジャパンが22日、岡山県美作(みまさか)市の湯郷温泉で6日間の直前合宿をスタートさせた。

 温泉地を合宿地に選んだ指揮官が“裸の付き合い”による結束力の強化を奨励した。佐々木則夫監督(53)は「(宿泊先が)せっかく大きなお風呂なのでコミュニケーションをとってほしいですね」と自主的な「大浴場ミーティング」の開催を望んだ。

 合宿地は県内有数の温泉地。チーム宿泊先は、スパやエステの専用施設を抱えており、温泉の効能を堪能しながら、開放的な気分を味わえる。W杯優勝後、表彰などの行事やイベント出演などに追われた選手たちにとって、これ以上ない癒やしの場となる。もともとピッチ外でも積極的に会話する選手が多いチームだが大浴場の開放感は格別。リラックスした中でコミュニケーション強化が期待できる。佐々木監督は「部屋のお風呂もいいけど、やはりせっかくですから。そういう狙いもあってここを選びました」と明かした。

 選手たちも「温泉効果」に期待を寄せている。練習後、専用施設もあると聞いたMF川澄奈穂美(25=INAC)は「そんなにいいならエステとかもしたいですね」と笑顔を見せた。FW丸山桂里奈(28=千葉)も「エステはぜひ…」。チームをまとめるMF沢穂希(32=INAC)も「温泉にはぜひ入りたい」と表情をなごませた。また、会場が大浴場と決まったわけではないが「合宿が始まったばかりなので今すぐ何かを話すということはないと思いますが、何か問題が出てきたらみんなで話をする機会はあると思います」と選手間ミーティングの必要性は感じていた。【松田秀彦】