【ドーハ(カタール)1月31日=福岡吉央】2月5日に行われるロンドン五輪アジア最終予選シリア戦(ヨルダン)で、U-23(23歳以下)日本代表の守備陣がミドル弾を警戒する。シリアはアジア最終予選3試合で、出場12チーム中最多となる42本のシュートを放っており、会場のアンマンは標高約800メートルで気圧も下がることから、守備陣は早めの対応でシュートを封じ、完封勝ちを目指す。

 シリアはこれまでの最終予選3試合で、日本の34本を上回る42本のシュートを放っており、日本と並んで12チーム最多タイとなる6得点。192センチの長身FWスマにボールを当て、ほかの攻撃陣が2次攻撃を仕掛けてくるのが特徴だ。

 今回のメンバーに選ばれている2列目の両サイドMFファレス、マワスは最終予選でそれぞれ10本、7本とシュート数も多く、ペナルティーエリア外からも積極的にシュートを放ってくることから、幅広い警戒が必要となる。

 DF比嘉祐介(22=横浜)は「セカンドボールをどれだけ拾えるか。声を出し合ってこばれ球を2人でとりにいくなど、いかにコンパクトにできるかが大事。サイドの選手は縦にくるので、それも抑えないといけない」と、イメージを膨らませる。人数をかけ、早めのチェックでシュートコースを消すことが、失点を防ぐ鍵になる。

 会場があるヨルダンの首都アンマンは、標高が約800メートルあり、気圧も0メートル地点に比べて約8%下がる。そのため空気抵抗が減り、相手のシュートの威力が低地よりも増すことは確実。低地の弾道とは違って微妙に伸びたり、変化することも頭に入れておかないといけない。

 シリアはこの標高を利用し、ミドルシュートを多用してくる可能性がある。GK権田修一(22=東京)も「これまで標高を気にしたことはなかったけど、ボールがどう変化するのか、ヨルダン入りしてから確認したい」と、細心の注意を払う姿勢を見せた。