<親善試合:日本2-0アゼルバイジャン>◇23日◇エコパスタジアム

 目元の小じわが目立つほど、笑みを絶やさなかった。日本代表アルベルト・ザッケローニ監督(58)が、W杯最終予選突破へ、手応えをつかんだ。90分間は新調した黒縁メガネをかけ、鋭い視線でピッチを見つめた指揮官は、試合後の会見でメガネを外し、目元と口元を緩めながら、満足感を口にした。

 ザッケローニ監督

 この試合において、選手から期待通りのリアクションが返ってきた。右からも左からも、ときには中央突破からもチャンスが作れた。試合から遠ざかった海外組の動きもよかったし、Aマッチデビューした3人(宮市、高橋、酒井)もよかったと思う。

 最終予選へ、当然、課題はある。同監督は「選手の中には試合のリズムが必要だったかなという選手もいた。チャンスを多く作ったけれど、今度はそれを得点に結びつくようにしたい。Jリーグの日程上の問題でフルメンバーがそろうのは、31日からで時間として短い感はある」。

 それでも指揮官は、それを上回る自信をつかんだようだ。「メンタル的に試合前から雰囲気がすごくよくて、私の中では満足している。最終予選前に、メンタルの部分ではいい状態になったと思う。これからフィジカルに集中して準備していきたい」。強いハートが要求される最終決戦へ、全員が結束できていることが、なによりの強みだ。【盧載鎭】