なでしこジャパン佐々木則夫監督(55)に難題が突きつけられた。1日に欧州遠征から帰国し会見した同監督は、ニュージーランド戦(6月20日、鳥栖)も含め、3戦2分け1敗の結果に「このままでは世界大会に出られたとしても、決勝トーナメントでベスト8、ベスト4を狙うのも大変」と総括した。

 鳥栖での試合からMF澤穂希(34=INAC神戸)やMF宮間あや(28=岡山湯郷)ら11年W杯優勝メンバーが復帰。しかし澤は左足付け根を痛め1試合で離脱。欧州では、パスサッカーで飛躍的進歩を遂げたドイツに粉砕された。15年W杯カナダ大会での連覇、16年リオ五輪金メダル獲得へ、現有戦力では難しいことがはっきりした。

 佐々木監督は早急な若手育成へ9月の親善試合で、ヤングなでしこ世代の招集を示唆。その一方、今回のベテラン勢再招集を「世界が変わっていく中で、日本がベストメンバーでどの程度できるか検証するため」と解説した。

 ただ、拙速な変革はチーム不協和音のもとになり、監督の求心力低下につながる可能性もはらむ。東アジア杯(下旬)の澤招集を聞かれると、佐々木監督は「仮定の状態でメンバーとして発表して12日のINACの試合でダメなら代えることもできる」と“ウルトラC案”を披露し、最大限のリスペクトを示した。しかし、時は待ってくれない。佐々木監督のマネジメント能力が問われる局面だ。【千葉修宏】