ブラジル代表のエースFWネイマール(22=バルセロナ)が、赤道直下の国を熱狂の渦に包み込んだ。前日11日に北京で行われた親善試合アルゼンチン戦に2-0で快勝した同代表は、12日朝にシンガポール入り。空港には約250人のファンが集結した。世界的スターには、格闘家のような黒服のSP5人ががっちりガード。大声援を受けながら、厳戒警備の中で移動用のバスに乗り込んだ。

 宿舎の超高級ホテルにも、ロビーに200人近いファンが殺到した。玄関口には現地テレビ局のカメラ2台が、選手の出入りを追い続ける徹底ぶりだった。

 同代表は午後5時からホテル内の一室にボールを運び込んで、14日の日本戦に向けた現地での初練習をこなした。ネイマールはアルゼンチン戦で後半ロスタイムまで出場。試合後すぐ深夜に中国から長距離移動をしたため、この日はホテル敷地内のプールで仲間らとトロピカルドリンクを飲みながら日光浴をするなど、疲労回復を最優先させた。

 アルゼンチン戦で無得点に終わった王国のエースは「ゴールを決められれば良かったけど、次の試合で頑張るよ。僕たちは勝ちたいんだ。ドゥンガ監督は負けるのが好きじゃないからね」と本気モード。日本とは3-0で快勝した昨年6月のコンフェデ杯で豪快な先制弾。12年10月に4-0で大勝した親善試合(ポーランド)でも2得点を挙げた。ネイマールが再び、日本に牙をむく。【益子浩一】