アギーレジャパンが「癒やし合宿」で万全のコンディションを整え、アジア杯2連覇を目指す。日本代表がアジア杯(来年1月9日開幕、オーストラリア)の前に行う合宿の有力候補地に、ワイナリーで有名なハンターバレーが挙がっていることが15日、分かった。のどかな山あいの町で、リラックスしながら最終調整を行い、1次リーグ初戦パレスチナ戦(ニューカッスル)に臨む。

 ブドウ畑が連なり、世界的にも有名なワイナリーが点在する、のどかな山あいの地域でアギーレジャパンがアジア杯2連覇へ向けてキバを研ぐ。日本協会関係者は「リラックスできて環境は抜群のところ。決定はしていないですが、詰めの作業中です」と明言した。

 直前合宿の候補地のうち、有力なのがオーストラリアのニューサウスウェールズ州にあるハンターバレー。日本からの直行便があるシドニーから車で2時間。日本代表が1次リーグ初戦パレスチナ戦を行うニューカッスルからも1時間前後で着く立地も抜群だ。

 日本代表は、海外組招集の拘束力が発生する12月29日以降に本格的に集合。年が明け、1月初旬にオーストラリア入りする見込みだ。シーズン中の海外組、通常ならオフの国内組とで体調面に差が出る時期だが、自然あふれる土地で体調、戦術ともに調整できる。

 14日のブラジル戦は、代表経験が浅い選手7人を使い、惨敗を喫した。だがハビエル・アギーレ監督(55)は「アジア杯という重要な、責任ある場に臨めるかどうか見たかった。たくさんの結論が見つかった」と、選手選考が進んでいると強調した。

 指揮官はアジア杯に向け「前回王者の誇りを持って、それ(王者の座)を守る」と断言。第1関門として強い意欲を示している。緊張感あふれるピッチ上、のどかなピッチ外。オンとオフの切り替えを重要視するアギーレ監督にとって理想的な環境のもと、最終調整を進めることになる。

 ◆ハンターバレー

 シドニー郊外、ニューサウスウェールズ州にある世界有数のワイン産地。1820年代から生産が始まっており、ブドウ畑が一面に広がる美しい景観。150カ所以上のワイナリーや、スパ施設、ゴルフコースもある。乗馬やスカイダイビング、熱気球も楽しめる観光地。夏となる1月の平均気温は約27度。夜は肌寒くなることも。

 ◆11年アジア杯カタール大会の直前調整

 10年12月下旬に少数の国内組が大阪府内に集合し、大学生やサポートメンバーとともに調整。天皇杯で敗れた国内組や、所属クラブから帰国した海外組が次第に合流した。年末に一度解散し、年始に集合。1月3日に関空からカタールへ向けて出発した。1次リーグ初戦ヨルダン戦を含め、基本的にはドーハ市内で開催されるコンパクトな大会だったため、直前合宿もドーハ市内で行った。