【バンコク15日=木下淳】タイ・バングラデシュ遠征中のU-21(21歳以下)日本代表から、3人のA代表トレーニングパートナーが選出された。アジア杯の予備登録50人に入っていたDF植田直通(20=鹿島)はリオ世代の不動のセンターバック(CB)。29日から始まる5日間の国内合宿でアピールし、飛び級の足掛かりにする。背番号10のMF中島翔哉(20=東京)と194センチのGK牲川(にえかわ)歩見(20=磐田)も選ばれた。

 手倉森ジャパンの守備の要が、A代表入りのきっかけをつかんだ。186センチのCB植田は今季途中から鹿島で定位置を確保。20試合に出場し、日本協会関係者の話ではA代表スタッフ会議でも名前が挙がる有望株だった。前日14日のU-21タイ代表戦は前半でお役御免となったが、2-0の完封劇を演出。「あの相手に失点するようじゃ上に行けない」と飛び抜けている。

 アジア杯の予備登録メンバーに選ばれても「50人に名前が入っていても選ばれなきゃ意味がないんで。満足せず、もっと高みを目指さないと」。先月は鹿島でコンビを組む昌子がA代表を経験し「自分も、という思いはある。中身は言えないけど話は聞いてます」と体験談を励みにしてきた。

 霜田技術委員長は「監督が各ポジションにバランスよく欲しい、と。五輪有望というわけではない」とリオ世代に配慮したが、仁川アジア大会で不動の存在だった植田、中島、牲川を選んだのは期待の表れ。アギーレ監督の目に留まるチャンスを手にしたことになる。

 この日は気温37度もある中で練習したが「暑いと思わなかった」と適応性も十分。普段も「休むくらいなら練習したい」と話しているだけに、年末年始の練習も植田には望むところだ。