日本代表ハビエル・アギーレ氏(56)の監督解任劇から一夜明け、アギーレ監督体制で初ゴールを決めた東京FW武藤嘉紀(22)は4日、成長で抜てきへの感謝を示すと誓った。

 アギーレチルドレンの象徴的存在だった東京FW武藤は、指揮官の解任に「残念」と第一声を発した。東京・小平市内での練習後、約30人の報道陣に囲まれ胸の内を明かした。「自分を見いだしてくれた監督。非常に感謝している。どこで見ていてくれるか分からないけど、代表選手としてこれからも活躍して恩返しできたらいいと思います」。

 世代別代表への招集歴がないまま、慶大生Jリーガーとして昨年9月の新体制でA代表に初招集された。一気に注目を集め、同9日のベネズエラ戦(横浜国際)で思い切り良くアギーレ体制1号弾を決めた。思い出として、そのゴール後にスペイン語で「ムイ・ビエン(よくやった)!」と褒められた言葉をあげ「代表の一員になれたと実感できた瞬間だった」と、少し感傷的になった。

 「正直このタイミングで解任になるとは思っていなかった」。別れのあいさつもできなかった。「どう成長していくか、アギーレ監督も楽しみにしてくれていると思う」。感謝の思いは、ピッチでの成長で示す。新体制に向け「監督から求められる選手でありたい」と、代表定着への思いを強くしていた。【八反誠】