J2札幌MF小野伸二(36)が10日、札幌・宮の沢でU-18との練習試合に出場した。2月28日開幕東京V戦後に左臀部(でんぶ)肉離れで離脱。9日岡山戦でベンチ入りも出場機会はなかったため、41日ぶりの実戦復帰となった。「感じは悪くない。次の試合に向けて、良い準備をしたい」と17日山形戦での先発復帰を目標に掲げた。

 トップ下で前半45分間に出場。得点には直接絡まなかったが、得意の右足アウトサイドキックでの縦パスを試みるなど、ワンタッチごとに、試合勘を取り戻した。「1週間前にも少しやったけど、今日は45分やれたことが良かったね」。3日に札幌・宮の沢で、U-18と11対11の実戦形式の練習をこなしており、これが事実上、復帰後2度目のチェックだった。リバウンドはなく、ここから本格的にギアを上げていく。

 札幌ドームの大歓声で、スイッチが入った。9日岡山戦は、今季ホーム初のベンチ入り。リードした展開だったため出番はなかったが「ピッチの感触が良かったね。出たかったけど、チームが勝つことが大事だから」と振り返った。試合に出てファンを楽しませたいという天才の渇望が、表情にあふれ出ていた。

 練習試合後、グラウンド脇のレストランで行われた、ファンとのランチ交流イベントでは17歳菅の活躍について質問を受け「もっともっと試合に出れば、化ける素質がある」と言った。自身同様、10代でデビューした新星のプレーもカンフル剤。36歳も負けじと、アピールを続けていく。【永野高輔】