チャンスは1本も逃さない-。日本代表に初選出された横浜F・マリノスFW谷村海那(28)が18日、横須賀市内のクラブ拠点で会見し、飛躍を誓った。JFL時代のいわき(現J2)からプロキャリアをスタートさせ、7年越しの“成り上がり”。地道に磨きをかけた得点力を武器に、貪欲(どんよく)に挑んでいく。15日間の代表活動は21日に始まり、24日のウルグアイ代表戦(宮城)を皮切りに全4試合を戦う。
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異色の大器がやってきた。来年3月には29歳となる中、日本代表から声がかかった。前日に吉報が届き「驚きが一番でした」。3歳上の兄、元Jリーガーの憲一さんからも連絡が届いた。「おまえ、すげぇなみたいな感じで来ました。いつもサッカーの話とか全然しないので(連絡が)来たこと自体にびっくりしました」と明かした。
国士舘大を経て20年にいわきへ加入し、プロキャリアがスタート。だが壁にぶち当たった。「1年目とかは腐ってるったらおかしいですけど、本当にダメダメだった」。シーズン通じて出場時間は100分にも届くかどうかだったという。「時にはもうやってられるかよとか、そういう感じにもなった。そこで(田村雄三)監督だったりコーチがこのままじゃダメだぞって言ってくれた」。課題は走れなかったこと。ランニングから見直し、食事制限で体重を絞り、今につながる基盤を地道に築き上げた。
チームのために攻守に走り、決定的な仕事をする。コリカ監督は「彼は本当にハードワークを惜しまない。それを代表でも見せてくれるんじゃないかなと思う」。手本とするFWは1学年下の上田綺世。「体の使い方がうまくて、そういうプレーを動画で見ている。どうやったらもっと点が取れるか聞いてみたい」。この謙虚さと向上心こそが、JFLから7年かけてJ3、J2、J1、さらには日本代表へとステップアップを果たせた理由だろう。
22年の東アジアE-1選手権でJFL経験者の小池龍太が代表入りして話題となったが、その大会は国内組メンバー。今回は欧州選手中心の正真正銘のA代表だ。その意味は大きい。それでもまだ日本代表の扉が開いたに過ぎない。ここから自分らしさを発揮し、国際舞台でも勝利につながるゴールを奪える選手になることを思い描いている。
「伊東純也選手、相馬選手がいいクロスを上げてくれるので、そういうチャンスを1本も逃さないで決めるイメージはできている」。成り上がりブルースが聞こえる。【佐藤隆志】



