J2札幌は岡山に0-0で、後半戦2試合連続の引き分けとなった。それでも4位と勝ち点1を分け合い、6戦負けなし。22戦14勝5分け3敗の勝ち点47となり、2位松本、3位C大阪に勝ち点で並ばれたが、得失点差で首位を守った。

 五輪前最後の出場となった韓国U-23代表GKク・ソンユン(22)が体を張った。前半31分、U-23日本代表の岡山MF矢島からのパスに、FW豊川が反応。1対1の場面に、同じリオ五輪代表のクが、前に出て左脇腹でブロック。決定的場面を阻止した。「ちょっと痛みがあったけどプレーには支障はなかった。体に当てただけでしたけど」と苦笑いで振り返った。

 9日C大阪戦で左胸などを打撲し、前半途中で交代。五輪を控え、本人は痛みが残る中でのプレーに不安を訴えた。韓国協会からも確認の電話が入ったが、骨折していないことが判明すると四方田監督以下、メディカルチームも含め「骨が折れてなければやれる」と甘えを許さなかった。クも気持ちを持ち直し、試合2日前から全体練習復帰。大事な試合を無失点で締めた。

 今日17日に移動し、18日に韓国五輪代表チームに合流する。次節松本戦から最長で8月21日京都戦まで7試合チームを離れることになる。「自分は五輪でもっと成長してチームの目標に貢献できるようになって戻ってきたい」。杉山が故障離脱中だが、前節もクと緊急交代した金山や阿波加がいる。痛みに耐えてもたらしたクの置き土産を、次節松本との首位攻防戦勝利につなげる。【永野高輔】