新潟は横浜に1-3で敗れ、今季3度目の3連敗を喫した。0-2の後半22分にMFラファエル・シルバ(24)が3試合ぶりのゴールを決めて追い上げるが、後半25分に横浜に追加点を許し突き放された。年間順位は、仙台と引き分けた甲府に抜かれて15位に下降した。

 試合後、新潟の選手たちは肩を落としながら、アウェー側スタンドを埋めた3000人の新潟サポーターの前に整列した。一礼した後、サポーターから選手に浴びせられたのはアルビレックスコールと、「闘え、新潟」のフレーズで始まる応援歌、そして大きな拍手だった。

 試合前の年間順位15位甲府、同16位名古屋の気配を感じて迎えた横浜戦。絶対にほしかった勝ち点を手にできなかった。それでもサポーターはブーイングではなく、励ましを選手に送った。「しっかりやれということだと思う」。MF成岡翔(32)は叱咤(しった)激励と受けとめた。DF増田繁人(24)は「応えなければならなかった。申し訳ない」と表情を引き締めた。

 流れをつかめなかった。後半22分、DFコルテース(29)の左サイドからのクロスを、ゴール前で待ったMFラファエル・シルバが押し込んだ。エースのゴールで勢いがつくかと思われた3分後、横浜MF前田直輝(21)に3点目を決められた。

 名古屋戦に続き3-4-3のシステムで臨んだ。後半40分には増田がFWに入るなど、「練習していた」という策も打った。それでも白星はつかめない。前半29分にクロスから奪われた1失点目、ダメを押された3失点目と、名古屋戦と同じように3バックに入った増田、DF西村竜馬(23)の間を狙われた。西村は「もっと強く行かなければならなかった」。増田も「もっと連係をしないと」と手痛い経験に反省が口を突いて出る。

 吉田達磨監督(42)は「イージーな失点をしたことに尽きる」と3失点を悔やんだ。一方で、「選手は最初から頭を働かせ、体を使って試合を進めた」と、勝ち点3獲得に必死に走った選手たちをねぎらった。「ポジティブに行くしかない」と西村。残り5試合。降格圏が迫った中で新潟の真価が問われる。【斎藤慎一郎】