仙台はホームで神戸と対戦し、3-0で勝利した。前半19分にオウンゴールで先制すると、同39分にFWハモン・ロペス(27)が2試合連続のゴールをダイビングヘッドで決め、リードを広げた。さらに後半33分にはDF大岩一貴(27)のJ1初ゴールが飛び出しダメを押した。守っても無失点と、攻守で相手を圧倒した完勝劇だった。

 ベガルタ劇場が開演した。第2ステージ優勝を狙う好調の神戸をたたき、本拠で3発快勝した。渡辺晋監督(43)は「久々にホームで勝利でき、喜ぶ姿を見られてホッとしています」と満足そうな表情で話した。

 開始19分にオウンゴールで先制。ここから攻勢を強め、前半39分にFWハモン・ロペスの2戦連続ゴールで追加点を奪う。相手GKとDFラインの間でMF奥埜博亮(27)がつぶれ役となり、右サイドのMF梁勇基(34)から低弾道のクロスが飛ぶと、ゴール前でワンバウンドした球を頭でたたき込んだ。アシストしたMF梁は「集中していたし、練習通り」と言い、この一撃で2桁得点へ到達のFWハモン・ロペスは「いい形でエリア内へ入れた。決められてうれしい」と笑顔を見せた。

 後半にはDF大岩のJ1初得点が生まれる。相手の退場で数的優位となった後半33分。中盤でMF野沢拓也(35)が相手を釣り寄せながら絶妙なパスをFWハモン・ロペスへ送る。その間に「拓さん(野沢)がこっちを見てくれていたので」とDF大岩が右サイドを駆け上がり、FWハモン・ロペスからの左クロスを頭で合わせた。記念の1発に「思い出になる。みんなのおかげ。決められたのもうれしいが、勝った後のユアスタは最高だなと再認識した」と大岩ははにかんだ。

 14戦ぶりに先発復帰したFW野沢がチームを確変させ、仙台から弱さが消えた。試合後、大岩のJ1初得点と聞き「まじで? アイツ本当に良かったね」と目を細めた野沢は「俺も点を取りたかったけど、チームみんなで戦えてよかった。あと2試合しかないけど、1つ1つ勝って締めくくる。勝つことしかできないから」。シーズン終盤にチームは団結力を増した。最後まで勝ち点を重ね、さらに上を目指す。【成田光季】