青森山田・住永翔主将(3年)が選手宣誓を行った。

 宣誓。「パルティード ア パルティード」。私たちは常にこの気持ちで試合に臨んできました。1試合、1試合、目の前の一戦に勝利した者のみに次の試合があるのです。この厳しさを勝ち抜き全国4134校の頂点に立つべく集結した48校が、ここにいます。

 今年、95回目を迎える全国高校サッカー選手権大会、この伝統ある大会に出場した多くの先輩が世界を舞台に活躍する姿に憧れ、次は自分の番だと夢見てきました。そして今、この場に立てる幸せに感謝しています。

 事故や災害のために、サッカーを続けられない選手の無念を思えばなおさらです。東日本大震災の年、私たちは小学生でした。このままサッカーを続けていいのか迷った友人もいましたが、周囲に助けられ、背中を押され今があります。

 私たちがここまでたどり着けたのは、仲間との絆があったから、監督やコーチの励ましと、窮地を救ってくれた先輩がいたから。そして何より家族の支えがあったからです。その全てに感謝し、ピッチに立ちます

 今年は特に11月のブラジルシャペコエンセのジェット機墜落事故に犠牲になったみなさんに思いをはせます。日本でも活躍した選手が何人も犠牲になりました。私たちは彼らのプレーから時を忘れるほどの感動や勇気をもらいました。心からご冥福をお祈りいたします。

 「パルティード ア パルティード」。私たちは今まで応援してくれた全ての人のために、全てのサッカー選手の思いを胸に、正々堂々戦うことをここに誓います。

 平成28年12月30日 青森県代表青森山田高等学校サッカー部主将・住永翔

 約3分間の長い宣誓を堂々と言い切った。冒頭の「パルティード ア パルティード」とはスペイン語で、Aマドリードのディエゴ・シメオネ監督(46)が使う言葉。住永は「目の前の1試合1試合を戦うという意味で、1試合を戦い抜いた者に次の試合が見えてくると思いを込めました。めっちゃ緊張しました」と振り返った。