磐田の鹿児島キャンプでMF中村俊輔(38)とは違うタイプのトップ下が、存在感を示している。J2大分から完全移籍で新加入のMF松本昌也(22)だ。キャンプ3日目の28日、午前、午後の2部練習に参加。フルメニューを消化し「個人的な目標は、開幕スタメンも含めて(移籍1年目から)試合に絡んでいきたい」と決意を口にした。

 松本は、これまで主に左サイドやボランチでプレー。大分時代は日本人選手としてクラブ史上初の背番号「10」を付けた。磐田にとって今年初の対外試合、JFLヴィアティン三重戦では、ボランチだけでなくトップ下としても出場。FW川又堅碁(27)とのパス交換でゴールに迫った。名波浩監督(44)は「体の向きが良く、ボールロストもしていない」と高評価。松本自身も「トップ下がやりやすかった」と、新天地で順調な第1歩を刻んだ。

 2013年、御殿場に拠点を置くJFAアカデミー福島からプロ入り。今年で5年目を迎える。15日の必勝祈願では絵馬に「試合に出る」「健康第一」と目標を記した。だが、トップ下には元日本代表のスター選手、中村俊も加入した。さらにサイド、ボランチも含めて、中盤の定位置争いが例年以上に激化している。それでも、松本には中村俊とは違う武器「前線への飛び出し」があり、「負けないようにやっていかなければいけないと思っています」と言葉に力を込めた。

 キャンプでは、連日、負荷のかかるメニューが続くが、「体も動いている。自分の特徴を知ってもらって、チームに合わせていきたい」と言い切った。中村俊にも勝負を挑み、アピールを続ける決意だ。【前田和哉】

 ◆松本昌也(まつもと・まさや)1995年(平7)1月25日、大分県中津市生まれ。小2から和田少年サッカークラブでサッカーを始め、中学からJFAアカデミー福島に2期生として入校。13年に大分入団。J1通算9試合1得点。J2通算60試合3得点。J3通算28試合1得点。174センチ、69キロ。