新生横浜F・マリノスが逆転勝ちで船出した。主将となった日本代表のMF斎藤が2アシスト。前半13分にはDF森脇をあっさりと縦に抜き去り、後半ロスタイムにも同じ左サイドを切り裂いてゴールをお膳立て。「ハマのメッシ」の高速ドリブルに、たまらずDFが寄って大きく空いたスペースをチームとしてうまく使って勝った。1人で浦和レッズの守備陣を翻弄(ほんろう)した上、気持ちのいい逆転劇に「このチームのパワー、伸びしろを感じた。みんなで勝ち取った勝利」。控えも含めたクラブの力を強調した。

 望んでいた海外移籍がまとまらずに残留。昨オフは、長くクラブの象徴だった中村俊が磐田へと去っていった。苦境で、あえて重い10番を志願して背負い、奮い立った。多くの選手の出入りがあったが、開幕戦で周囲をひと安心させた。

 クラブの強化を取り仕切るシティー・フットボール・グループ(CFG)も、主導して補強した2人の新外国人の初ゴールで、存在感を示した。これで鹿島に次いで史上2チーム目のJ1通算400勝に到達。新たな“船長”斎藤率いるマリノスが、メモリアル勝利で名門復活への1歩を歩み出した。【八反誠】

 ▼J1通算400勝 横浜が、25日の浦和戦(日産ス)で達成。鹿島(452勝)に次いで史上2チーム目。817試合目で到達(143分け274敗)。