横浜FCのFWカズ(三浦知良、50)が「春の嵐」にもめげずに全力プレーを見せた。アビスパ福岡戦で2戦連続先発したが、雷の影響で試合開始が27分遅れ、後半9分すぎには大量のひょうも降って19分間中断。気まぐれな自然現象の中で約60分プレーし、試合は0-0で引き分けた。東京Vが5連勝で首位に浮上した。

 カズは博多に「春の嵐」を呼んだ。試合前のアップ後に黒い雲が空を覆うと雷が響いた。約27分試合開始が遅れるアクシデント。それでもカズは冷静だった。「最初10分は座っていたがまたピッチでアップした。難しい試合だったが、みんなで集中しようと言っていた」。集中力が切れそうになりながら、再びスイッチを入れ直すようにスタメン出場。「試合の入りはチャンスもあった」とゴールへの意欲は見せた。

 後半9分すぎには再び空が真っ黒に。突然、大量のひょうが降り、今度は19分間の中断に追い込まれた。シュート0本で得点こそ挙げられなかったが、ベンチに退く後半17分まではしっかりプレー。「中断は経験あるけどね。自然現象は仕方ない。安全第一で良かった」。試合後も飛行機の便に間に合うようにバタバタと移動。50歳には少々「厳しい」コンディションだったが、ピッチ上では“嵐”に負けないオーラを放っていた。【浦田由紀夫】