大宮アルディージャが清水エスパルスに引き分け、開幕からの連敗を6で止めた。

 大宮の渋谷洋樹監督(50)は、攻撃の推進力を出すためにMF茨田陽生(25)をボランチに、右サイドバックにDF渡部大輔(27)を起用。采配が的中し、前半6分、渡部のクロスをFW江坂任(24)が頭で押し込み、今季の先制点を挙げた。その後も、茨田が今季清水から大宮に移籍したFW大前元紀(27)ら前線に縦パスを供給しチャンスをつくった。後半は清水の猛攻に遭い、残り3分で失点し勝ち点3を逃した。J1で唯一、今季未勝利となってしまった。

 この試合に向けて主将のDF菊地光将の呼びかけで、選手ミーティングを開き守備の再構築を話し合った。渋谷監督は悔しさをにじませながらも「やっと引き分けまで持ってこられた。7試合で勝ち点1はいいとは言えないが、最低限ベースとして守備はしっかりつくれた。こういうゲームをすることで勝利に近づく。勝ち点1を次につなげたい」と前を向いた。

 古巣と対戦した大前は、CKのキッカーを務めるたびにブーイングを浴びた。「試合中は気にならなかった」とサラリと振り返った。「相手はセットプレーでの失点が多いのは分かっていた。前半、CKのチャンスが多かった中で決められなかったのはふがいなさがある。ただ、ゴールに向かう姿勢は見せられたし、ポジティブに考えるなら、チーム全員で体を張って逆転されずに終われたのはプラスに考えたい」と話した。