アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で10年ぶりの決勝進出を決めた浦和レッズの躍進に、日本サッカー協会(JFA)とJリーグの「ACLサポートプロジェクト」が一役買っている。ACLでの日本勢の低迷を受けて13年に復活し、5年目を迎えた取り組み。リーダーは村井チェアマンで、総勢15人近くが通常業務と掛け持ちで動いている。

 19日、関係者は「浦和さんを筆頭に、クラブの皆さんのACLで勝ちたいという思いが強くなっているからだと思います」と話した。主役はクラブと選手、あくまで裏方という態度を貫くが、手厚い取り組みで後押ししている。

 支援の柱は日程、財政、人員、宣伝の4つ。過密日程を避け、アウェー戦の前後はJリーグの日程をより柔軟に変更。変則開催も増えた。浦和だけはACLから中3日を考慮され、J1で唯一、1日遅い22日にG大阪戦(埼玉)を戦うのもそうだ。財政面ではJリーグの遠征費負担などがある。人員の面では日本協会とJリーグから出場4クラブの試合のたび2人を派遣し、運営と広報業務をサポート。宣伝面でもハイライト映像の拡散などSNSも活用し認知度アップに努めてきた。

 細部にもこだわる。昨季からはアウェーの天候データを入手。風向きや気温などを事前にチームに伝えている。浦和には熱狂的なサポーターという12人目の選手もいるが、この裏方サポート部隊の“アシスト”も受け、アジア王者への戦い最終章に備える。