神戸の日本代表FW大久保嘉人(25)が、初実戦でいきなり2得点を挙げた。12日、神戸市内の練習場で右ひざ手術後初めて紅白戦(20分×2本)に出場。本拠地開幕となる15日川崎F戦に向けた先発組で、FWレアンドロと2トップを組み、計40分間で全得点。予定通り川崎F戦で復帰、26日のW杯アジア3次予選バーレーン戦(アウェー)出場という青写真へ突き進む。

 2月12日の右ひざ手術からちょうど1カ月。大久保が輝きを取り戻した。紅白戦の開始15分に、いきなりGKの頭上を越す芸術的なループシュートを決めた。2本目の4分にもゴール前で右足で冷静に加点。初実戦でいきなり2点を挙げ「紅白戦じゃゲーム感覚は分からない。本当の試合じゃないとね。でも、だんだん慣れてきた」と充実した笑顔を見せた。

 日本代表で決勝点を挙げた2月6日タイ戦以来の実戦だった。この日は途中からは視野の広さを生かすため、2列目に下がって攻撃を組み立てる場面もあった。存在感はピカイチ。松田監督は「飛び出し、ポストプレー、反転した動きなどを見ても問題ない。点も取っているし、彼本来の動きが出ていた」。観戦した和田強化部長も「故障していたとは思えんな」と喜んだ。

 14日にはバーレーン戦に向けた代表が発表される。2月の東アジア選手権ではFW陣の層の薄さを露呈しただけに、日本代表岡田監督も大久保にかける期待は大きい。当初の計算通り川崎F戦で復帰し、バーレーン戦へと向かう準備は整った。「もう全然問題ない。(試合が)楽しみやね」。エースが、いよいよ戻ってくる。【益子浩一】