日本代表FW大久保嘉人(25=神戸)が「機内体操」で決戦に備える。日本代表はW杯アジア3次予選バーレーン戦(26日、マナマ)に向けて17日、関西空港から直前合宿地のドバイ(UAE)へ出発した。24日にもドバイからバーレーンへの空路移動もあり、2月に右ひざの手術を受けた大久保は、座りっぱなしの姿勢で患部を悪化させないためにも、飛行機内の準備体操でベストの状態を保つ。

 バーレーン戦に向けた準備は移動の飛行機でも怠らない。大久保はこの日、関西空港から機上の人となった。ビジネスクラスのゆったりシートで、隣の高原と談笑。しかし、心の中では体のケアを万全にすることだけを考えていた。

 出発前は、神戸の練習場で汗を流した。2月12日に手術を受けた右ひざについて「ずっと曲げていると(患部が)固まって、急に伸ばすと痛い」と説明。今回の遠征はまず、日本からドバイまで飛行時間は12時間近い。24日にはドバイからバーレーンの首都マナマまで1時間15分の移動が控える。座りっぱなしはさすがに足に影響を及ぼす。

 「ちゃんとケアだけはしとかなあかんね」。移動の機内では屈伸体操し、右ひざを守る。座席横の通路やトイレ前など限られたスペースで運動を行う。38日ぶりの実戦となった15日川崎F戦でフル出場し、1得点2アシストと活躍。試合後は患部への反動はなかったが、油断はできない。

 「まだ復帰して1週間やからね。普通ならあと2週間くらい休んでる感じやから」。代表の医療スタッフも大久保の体調には留意しているが「それはオレ次第やからね」と自覚を強調した。

 海外遠征では移動時の体調管理が特に重要だ。過去にはFW高原(現浦和)が肺動脈血栓塞栓(そくせん)症(エコノミー症候群)となり、長期離脱したことがある。大久保は「バーレーンが同じ組で一番強いんじゃないかな」と警戒。勝利のために、万全の体調で決戦の地に乗り込む。【北村泰彦】