<ナビスコ杯:京都1-0名古屋>◇A組◇第1節◇20日◇瑞穂陸

 元日本代表FW柳沢敦(30)の3つの変身で、京都がアウェーで名古屋に1-0と白星スタートを切った。柳沢は得点こそ奪えなかったが、ポストプレー、サイド突破、相手守備の裏を狙う動きと「1人3役」をこなす大車輪の活躍。MFアタリバ(29)の得点を全員で守り切った。

 柳沢の3変化(へんげ)が、京都を勝利へ導いた。前半6分、FW田原のヘディングからDFラインの裏へ抜け出し決定的なチャンスを作る。同36分には右サイドを突破し田原へ絶妙クロス。後半9分から1トップを務め、ポストプレーでチャンスを演出した。リーグ戦の16日大宮戦(西京極)に続く公式戦連勝に「これを積み重ねていきたい」と胸を張った。

 加藤監督は「柳沢の価値はボールのないところの動きにある。かみ合ってきた」と絶賛する。柳沢も今遠征出発前、チームになじもうと、クラブを支えてくれる京都の職員へ、購入したみかんをプレゼント。感謝の気持ちを表した。「チーム全員で勝利を追い求めるのが好き」と淡々と話す。

 中2日でナビスコ杯浦和戦(23日、西京極)が待つ。鹿島時代には同杯で3度の優勝を経験。京都でもタイトルを獲得したい思いは誰にも負けない。「この日のプレーを続けていく。前半はミスも多かった。反省しないといけない」と気を引き締めた。何でもできる万能FWとして京都をけん引するのみだ。【奈島宏樹】