J1清水MF枝村匠馬(21)が、前節のG大阪戦で右太もも裏を痛めたMF藤本淳吾(24)の代役として、明日12日の名古屋戦(日本平)で先発する可能性が高まった。10日の非公開練習後、長谷川健太監督(42)が示唆した。現在チームは2連敗中で、5戦4得点と決定力不足解消が課題。開幕戦で1ゴールを挙げている枝村が、連敗ストップに貢献する。

 2連敗中と苦しいチームを、枝村がゴールで救う。チーム4得点中2得点のMF藤本が、G大阪戦で右太もも裏を痛めて全治10日間と診断されて別調整中。名古屋戦欠場は決定的だ。

 10日の非公開練習後、長谷川監督は「淳吾(藤本)に代わって先発で出る力を持っている選手」と、枝村の2試合ぶりのスタメン起用を示唆した。代役での先発出場が濃厚となり、枝村は「(先発かどうかは)分からないけど、準備はしています」と静かに語った。

 この一戦にかける思いは強い。チームは得点力不足で2連敗中の14位。リーグ戦では、ホームで勝ち星がない。開幕戦で途中交代から15分後に今季チーム初得点を決めた枝村に対し、長谷川監督は「よくやってくれている。このまま続けて、どんどん結果を出してほしい」。そんな指揮官の思いを受け、枝村もキッパリと言った。「得点を狙います」。06年に4戦連発弾を決めた時ですら出なかったゴール宣言。結果を出すという決意は、半端ではない。

 名古屋にはリーグ戦6試合不敗中と、清水にとっては相性がいい。ただその名古屋は現在、5戦負けなしの4連勝中で2位と絶好調だ。「いいサッカーをしているし、かなりアグレッシブにくる。そこは去年と違う」と認めつつも「調子はまあまあいいと思う。楽しみです」と意気込む枝村。連敗中のチームが待ちこがれる、ゴールと勝利の両方をもたらし存在感を示す。【浜本卓也】