レフティースナイパーが、J1定着の原動力になる。昨季のJ2リーグアシスト王のJ1山形DF石川竜也(29)が、得点とアシスト数の合計「2ケタ」を目標に掲げた。高精度の左足のキックで、昨季は15アシスト、2得点をマークし昇格の立役者。レンタル元の鹿島から完全移籍を決断した理由と、山形への思いを語った。

 「昇格したチームだし、山形に来て試合に出る喜びを知った」とクールに話す石川。多くのJクラブが手薄な左サイドバックで、攻守に存在感のある石川を、獲得に乗り出すクラブが多かった。だが、石川は山形に残る決断。「自分たちで上げたチームだし、苦しいシーズンになるだろうけど、若くて可能性がある」と愛着の言葉を口にした。

 前日2日に左足を打撲して、3日の午後は別調整だったが、J1で戦えるチームになるため、石川はいつも声を飛ばして練習に緊張感を生んでいる。「実際にJ1は厳しい。だけど相手のプレッシャーのないセットプレーは、確実にチャンス。ゴールとアシストで2ケタいきたい」と得点源になる構えの石川。数少ないJ1経験者のスナイパーは、定着のカギが自身の左足にかかっていることを理解している。【山崎安昭】