G大阪西野朗監督(53)が「超異例」の2日連続非公開練習で臨戦ムードを高めた。28日のゼロックス杯鹿島戦(国立)に向けて25日、当初は公開予定だった練習を急きょ非公開に変更して紅白戦を行った。26日と合わせて2日連続の非公開は、約2年4カ月ぶりの「珍事」だ。6冠獲得へ最初のタイトル戦。普段は手の内を隠さない西野監督が、今季対外試合1分け5敗と調子の上がらないチームを引き締めにかかった。

 ピリピリムードは一気に高まった。G大阪の練習がフィジカルメニューを消化中の50分を経過したところで、約100人のファンや報道陣が練習場の外へ閉め出された。鹿島戦を想定した肝心の紅白戦は急きょ非公開に…。西野監督は「緊迫感、緊張感を出すために(非公開を)やった。今日決めた」と険しい表情で説明した。

 26日も非公開で練習する。基本的にオープンに練習を見せる西野監督が2日連続非公開に踏み切るのは極めて異例で、07年11月のナビスコ杯決勝川崎F戦直前以来で、約2年4カ月ぶりだ。その時は1-0で勝って優勝した。今回も6冠獲得に向け、大切な1冠目の決戦。もう調整段階は終わった。本番へケジメをつける意味合いがあった。

 調子の上がらないチームに歯がゆさを感じていた。今季の対外試合は1分け5敗と依然未勝利。「タイトル戦を前にして戦うことを徹底したい。厳しい部分を出していければ」。22日のプレシーズンマッチC大阪戦は、攻守に精彩を欠いて0-1で完敗した。このままでは鹿島に勝てない。ゲーム主将のDF山口は「セレッソ戦は(勝利への)気持ちがあっても、それを形にできなかった。僕もまだ何かが足りないと思う」と指揮官の狙いを納得した。

 もちろん、秘策を練っている可能性もある。西野監督は「あまり隠せるものはない」と話したが、紅白戦では複数の布陣を試したもよう。基本布陣の4-4-2以外にも4-5-1、C大阪戦終盤に試した3バックなど選択肢は多い。今季最初のタイトルをつかむため、あらゆる手を尽くすつもりだ。【北村泰彦】