<J1:G大阪4-1磐田>◇第2節◇14日◇万博

 今年はズバッといきます!?

 G大阪のMF遠藤保仁(29)がホーム開幕・磐田戦で2得点1アシストの大暴れを見せた。2度のPKで、代名詞「コロコロPK」を封印。日本代表仲間のGK川口の裏をかくように、いずれも強めに蹴り込んだ。G大阪は4-1でリーグ開幕2連勝と暫定首位。ACLを含めても開幕から3戦3勝、計10得点で自慢の“超攻撃”が復活だ。

 これが「PK職人」だ。3-1の後半17分、相手ハンドで得たこの日2本目のPK。遠藤はボールをセットした。今度こそ「コロコロ」か-。周囲の予測や戸惑いをよそに、ポーカーフェースで右足を強く振り抜き、ライナーでゴール右隅に突き刺した。反応したGK川口は触れない。「ああいう蹴り方の方がいいかなと思って」としてやったりの表情を浮かべた。

 代名詞「コロコロPK」を封印した。前半35分、1本目のPKも強めの弾道。ゴール左隅にワンバウンドで突き刺した。「ヨシカツさん(川口)とは代表でいっぱい練習してる。蹴りづらい部分もあるんで」。代表合宿の練習後、遊びで“PK合戦”をすることがある。緩いボールは読まれたら終わり。だから、裏をかいた。「ヤット(遠藤)の駆け引きは天下一品」という川口は「両方に備えて対応したけど、どうしようもない」とお手上げだった。

 もう「コロコロ」は裸同然だ。昨年12月クラブW杯のマンチェスターU戦で決めた「コロコロ」が、テレビ中継で世界に放映された。GKも対策を立てる。決めて当然のPKを外せば、チームの勢いに水を差す。10日のACL山東戦でもPKを1本決めたが、それも強めだった。「最近になって強いキックを入れるようにしてる」と言う。この日のPKの“ネーミング”を聞かれて「何でもいいっすよ」と言った。

 後半9分にはCKでDFパクのヘッド弾もアシストした。チームはリーグ開幕2連勝で早くも暫定首位だ。リーグ開幕前にプレシーズンマッチなど7戦未勝利だったのがウソのように、でACLを含めば計10得点の3連勝。07年に掲げていたスローガン「超攻撃」は復活した。中心にどっしり座る司令塔は言う。

 「今後のPK?

 ま、その時の感覚で蹴っていければね」。

 決めて、勝てれば、何でもいい。【北村泰彦】