<J2:仙台3-0草津>◇第12節◇2日◇正田醤油スタジアム群馬

 ブラジル人コンビの活躍で、ベガルタ仙台が7季ぶりの5連勝を飾った。後半5分にDFエリゼウ(29)が頭で先制すると、同24分と43分にFWマルセロ・ソアレス(27)が、ダメ押し弾を連発。草津を下し、今季初めてJ1昇格圏内の3位に浮上した。首位湘南との勝ち点差は3。出遅れた本命が、首位を射程圏内にとらえた。

 昇格請負人が、本領を発揮した。後半24分、MF梁が頭でゴール前に送ったパスを目掛けて途中出場のソアレスが突進。追いつくと同時に相手GKを見極め、また抜きで追加点をゲットした。同43分にもMF関口のクロスを流し込み、来日初の1試合2発。華麗なバック宙で敵地の夜空に舞い「自分は日本に遊びに来たんじゃない。昇格させるために来たんだ」と喜んだ。

 昨季は2度の4連勝をマークしたが、いずれも5戦目で途切れた。格下の熊本戦で先発4人を入れ替えドロー(2△2)。もう1度は過去26戦無敗の水戸に敗れ、連勝を伸ばすどころか昇格争いから後退した。手倉森体制での「三度目の正直」が、15戦負けなしの、この日の草津戦。再び好機を逸すれば悪夢再び…だったが、当時はいなかった助っ人2人の活躍で難なく達成。進化の象徴だった。

 今季はセンターバックとストライカーの補強を最優先事項とした。07年からマークしてきたエリゼウと昨季途中にリストアップしたソアレス。日本人だけで始動し、入れ替え戦で悔しさを味わったチームに、アクセントを加えた。

 仙台にとって「J1率」100%の5連勝を達成。手倉森監督も「序盤の悔しさを糧に成長した。新外国人も期待通りの活躍」と満足顔だ。3位甲府が敗れ、逆転で3位に浮上。今季初の昇格圏内に「ようやく圏内に入った。とどまれるように連勝を伸ばしていく」と指揮官。不完全燃焼のエンジンが再点火した。【木下淳】