<ナビスコ杯:広島7-0大宮>◇30日◇予選リーグA組◇広島ビ

 広島の猛攻を呼んだのは、代表候補2人だった。FW佐藤寿人(27)は先制弾に1アシスト、MF柏木陽介(21)は2得点。広島は08年のJ2第34節岐阜戦以来となるチーム最多タイの7得点で大宮を一蹴。鹿島、東京Vが持つリーグカップ戦最多得点にも並んだ。

 エースの嗅覚(きゅうかく)が導火線に着火した。「重要な時間帯だった」と振り返る前半4分、MFミキッチの右クロスに佐藤寿がヘッド一発。素早い位置取りからフリーで決めた。さらに司令塔・柏木も弾けた。前半35分、相手DFのこぼれ球から、後半11分には密集地帯からゴールを奪った。プロ初の2得点。「ハットトリックも狙えた」とどん欲だった。

 勝てば、W杯本戦出場が決まる6月6日アジア最終予選ウズベキスタン戦。代表発表時点でJ1日本選手トップの5点だった佐藤寿も、パスポート提出を求められていた柏木も選に漏れた。それでも「広島から選ばれて良かった」(佐藤寿)と初選出の同僚DF槙野を電話や助言でサポートしている。実力十分の“代表候補”が、ぐいぐいチームを引っ張る。【佐藤貴洋】