J1磐田のMF松浦拓弥(20)が新境地を開拓し、急ピッチ調整でリーグ戦先発出場を目指す。14日、静岡産大との練習試合にボランチとして先発出場し、2アシストで猛アピール。前半45分のみの予定だったが、後半8分に再びスクランブル出場し、ほぼフル出場を果たした。13日にはナビスコ杯広島戦(鹿児島・鴨池)で約3カ月ぶりに実戦復帰したばかり。連日のゲームをこなし、鹿島戦(20日)に間に合わせる。

 MF松浦が疲れ切った体をゆっくりとほぐしているときだった。後半開始直後、MF犬塚が体調不良を訴え離脱。前半45分間の出場でいったん退き、ピッチ外でストレッチをしていると、急きょ呼ばれた。慌ててスパイクを履き、ユニホームを着て、この日2度目の緊急出場となった。計82分間の出場に「きつかったですよ。突然でしたね。だから慌てないように、バランスをとりながら気をつけた」と冷静に話した。

 連日のゲームが、新境地を開拓させた。左足首内果骨折による離脱から、10日に練習合流。13日のナビスコ杯広島戦で途中から出場し、約3カ月ぶりに実戦復帰したばかりだった。それでもこの日は、鹿児島往復の疲れを見せず先発。前半2分に、ボランチの位置から前線に駆け上がると、FW万代とワン・ツーで右サイドを突破し、右クロスでFW中山の先制弾をおぜん立て。同33分には、今度は左クロスでMF太田のゴールを演出した。

 今季柳下監督はトップ下のないシステムを採用。開幕前、FWやサイドMFの位置で定位置を奪えず苦労した松浦は「広島戦でゲーム感覚が戻ってきた。2列目から上がれば、相手もつかまえにくいと思う。後ろからスペースに入って、フリーでボールを受けられる」。ボランチでの動きに手応えをつかみ、2アシストとスクランブル出場で復活を猛アピールした。【栗田成芳】