コンサドーレ札幌が、戦術練習の前倒しで新DF陣のスピード改造に着手する。チームは21日、5日間の札幌ドーム調整を打ち上げた。明日23日に札幌を離れ、24日からグアムキャンプを開始する。石崎信弘監督(52)はフィジカル強化主体の同キャンプながら、初日からDF面の戦術練習を取り入れる方針を明言。3季連続オフなしトレーニングで、4バックの再構築を目指す。

 1月だからといって悠長なことは言っていられない。17日からの札幌ドームでの調整を終えた石崎監督は、5日間の収穫について「特にない。体を動かせたことは良かったがチームづくりの面では出遅れている」と厳しく振り返った。

 経費削減のためグアムキャンプ出発を昨季より4日遅らせた。わずかな差だが3年目の勝負をかける指揮官には大きな問題だ。同キャンプでは、その“時差”を埋めるため、5日目までほぼフィジカルトレだった昨季から、メニューを前倒しする。体づくりが主体ながら石崎監督は「初日からDFの個人戦術も入れる。(昨季より)1週間は遅れている。そうしないと間に合わない」と明かした。

 DF5選手のうち岩沼を除く4選手が新加入。石崎監督が求める守備の原則を、早い段階からたたき込むことがグアムでの大命題だ。4バックの人選については「(左サイドバック)岩沼以外は横一線」と指揮官。特に石川、藤山ら大量流出したセンターバックについては「まったくの白紙」と完全競争制を掲げた。

 助っ人DFチアゴも特別扱いしない。「チアゴがやれるかグアムで見ないと判断できない。山下や櫛引も入ってくる。状況によって(ボランチ候補の)河合をDFとして使うことも考えないといけない」。右サイドバックも新加入の日高に加え、練習生の西村、笠井が生き残りをかけ参戦する。計6人でDFの残り3枠を争うことになる。

 グアムキャンプ期間は昨季より5日間短い15日間。最終日の8日まで「オフはないよ」と明かした。3季連続となる無休キャンプで、まずは迅速にDFの骨格を組み上げる。【永野高輔】